思い出のマーニーはなぜ「秀作」に留まったのか。【感想】

⎯⎯⎯⎯ ちろです。

今回は、2020/4/3の金曜ロードショー、ジブリの米林監督の「思い出のマーニー」についてです。

当時リアルタイムで映画を見に行き、原作も読了、CDを借りたり、と「秀作だなぁ」とハマった作品です。

が、

名作だとは思えませんでした。非情に勿体ないと作りだと思いました。

以下はあくまで個人的な感想をつらつら書いた雑記であります。

 

思い出のマーニーの売上

© 2014 Studio Ghibli・NDHDMTK

私は売上が、作品の良し悪しと絶対値でイコールであるとは決して思っていません。それにしても大小関係はある程度あると思います。ある程度。

興行収入順位では、

・1位:千と千尋の神隠し(2001年) / 304億円

・2位:ハウルの動く城(2004年) / 196億円

・3位:もののけ姫(1997年) / 193億円

・・・

13位:思い出のマーニー(2014年) / 35億円

と、上位陣から一桁落ちとなっています。(1位がバケモノすぎますが…。)

ストーリーのおさらい

© 2014 Studio Ghibli・NDHDMTK

 

ストーリーをざっくり振り返りましょう。

⎯⎯⎯⎯ 幼い頃に両親と祖母を亡くした少女、杏奈。

孤児となった杏奈は施設で過ごしたのち、現在の養父・養母に引き取られるが、養父がその後他界する。養母と二人暮らしの中、養母に不信感を頂いた杏奈は、遂に人間不信に陥る。心身ともに異常をきたした杏奈は、田舎の叔母夫婦の元で療養することに。

 

田舎の養生生活の中、杏奈は田舎の海辺に心惹かれる屋敷を見つける。

そこにはマーニーという不思議な雰囲気の少女が夢現(ゆめうつつ)の狭間の世界に佇んでいた。杏奈とマーニーは友達になり、いくつもの思い出を作っていく。

とあるきっかけで杏奈は、海辺でデッサンする老婦人からマーニーという女性の人生を知る ⎯⎯⎯⎯。

© 2014 Studio Ghibli・NDHDMTK

 

何が秀作に留まらせてしまったのか

「答えをわざわざ明言しちゃう」、これで物語の「余韻」が薄れてしまっている。

こう思います。

老婦人からマーニーという女性の物語を聞いたのち、ラストのパートで養母が杏奈を迎えに来ます。義母は杏奈に、杏奈の祖母の所有品で幼い杏奈が握りしめていたというセピア調の写真を渡し、その裏側に書かれた名前が杏奈と視聴者に公開されます。マーニーは私の大好きなおばあちゃんだったんだね、と。

明言しないで欲しかった。。。外国文化の影響や~とか言うつもりはないですが、日本文学のあえて言わない、それにより残る独特の余韻がここでブツ切れる感じがして、覚めて(冷めて)しまいました。

本作のようないわゆるミステリ小説ライクな名作、今書いててパッと思いついたのは「殺戮にいたる病(我孫子 武丸, 講談社, 1996)」とかですが*、「答えを文章でわざわざ明示しない」んですよね。答えに繋がる事実や情報を間接的に明示していき、「!?」って読者に思わせたら、読者の気持ちが追っつかぬまま、物語が畳まれていく感じ。

*是非ネタバレ無しで読んでみてください。

ミステリ小説に限らず、多くの小説・映画の名作だと思うものには余韻というか、読了感のようなものが付きまとっている感じがします。僕を物語からおいていかないで…って感じ。

個人的に望んでいたラストシーンは、

養母が写真を手渡す、

貴女が幼い頃大切に握りしめていた写真よ、裏側に書いてあるのは持ち主の名前かしら?

裏側を見る(裏側は杏奈にしか見えない、視聴者はそれを見ない)、嗚咽が杏奈から漏れ、そしてあふれ出す ⎯⎯⎯⎯。

でした。それが非情に惜しくあり…。2度映画を見に行きましたが、やっぱり惜しいなぁと思った作品であります。